「キーワード設定は大切」
何故大切なのかは分からないが、漠然とそう思っている人が多いように思う。
ではそんな大切なキーワード設定に、あなたはどこまで集中して取り組めているだろうか。

キーワードの選定はどうやって行っているのか。
広告出稿後のキーワード調査・修正はどの程度しているのか。
こちらの問いに自信を持って全て回答できる人は何人いるのだろうか。ほとんどの方が自信を持って首を縦には振れないのではないかと思う。

本記事をあなたが読み進めているのであれば、現状のキーワード設定では何かが違う、改善をしなければけならないと感じてきている証拠だろう。
そんなあなたはこの記事にたどりついて正解だ。しっかりと最後まで読み進めてもらえれば、キーワード設定がいかに大切なのか、具体的にどう設定すればいいのか、そして、キーワード設定を蔑ろにしたときにどういう結果に陥るのか。
これらを全てご理解いただけるはずだ。

1.悪いキーワード設定によって招く事態

キーワード設定の重要性や具体的な設定方法をお話しする前に、”悪いキーワード”を設定することでどのような自体が起こってしまうのか。まずはここからお話ししていく。
簡単に例をあげると以下のようなことが起こるであろう。

  • まったく関係のない検索語句で上位表示
  • GoogleやYahooからの評価がさがる
  • 評価が下がった結果、高い費用を使わないと広告が表示されなくなる
  • 無駄に高いクリック単価が発生し、広告予算をすぐに消化
  • 優良な顧客のサイト訪問はほぼないにもかかわらず、広告費用は高い。

ざっくりあげるとこの通りだ。これでは貴重な予算を投じてまで広告を出す意味がない。
せっかく広告を出すのであれば、キーワード設定を蔑ろにしてはだめだ。
SEOで上位表示させるには絶え間ない労力と時間がかかるが、広告機能を使えば少ない労力で上位表示できる。
もちろん、コツとノウハウをもっていればの話だが、あなたは今こんな素晴らしいチャンスをにぎっている。
キーワード設定を蔑ろにする理由が見つからないはずだ。

2.キーワードの設定

さて、ここからは具体的なキーワード設定についてお伝えしていこう。
まずは基本を理解することが重要だ。

マッチタイプを理解する

広告を出稿したことがある人ならば、マッチタイプという言葉を耳にしたことがある人がほとんどだろう。マッチタイプとは、どういう言葉で検索されたときにあなたの広告を表示させるのかを決める重要なポイントであるといえる。
マッチタイプは全部で4つ。

①完全一致

完全一致とは名前の通り、あなたの設定したキーワードと検索語句が完全に一致したときに広告が表示される。例えばあなたが航空会社の広告担当であるとしよう。下記のキーワードを完全一致で登録すると、このような検索語句であなたの広告がヒットする。

例)キーワード:[航空券 予約] 検索語句:航空券 予約

完全一致のキーワードを登録するときには、上記のように[ ]で挟むといい。ちなみに語句の順序を逆にした「予約 航空券」でも広告はヒットする。

②フレーズ一致

フレーズ一致は完全一致よりも少し検索の幅が広がる。

例)キーワード:”航空券 予約”
検索語句:格安 航空券 予約、航空券 予約 羽田

このように、キーワードの前後に別の語句がついてもヒットするのがフレーズ一致だ。しかし、あくまで前後である必要がある。航空券と予約の間に別の語句が入っても広告はヒットしない。

③絞り込み部分一致

フレーズ一致で補いきれなかったキーワードを助けてくれるのが絞り込み部分一致である。

例)キーワード:+航空券 +予約
検索語句:飛行機 今すぐ予約、予約 羽田行き 航空券

「航空券」と「予約」に近い語句がはいっていれば、言葉の順序がずれていても問題はない。

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※2021年2月より、絞り込み部分一致のキーワードがフレーズ一致の動作に組み込まれることになった。まずは一部の言語(英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語、オランダ語、ポルトガル語、ロシア語)の広告主から適用され、日本でも年内には新しいマッチング動作が導入される予定。2021年7月より絞り込み部分一致の新規作成はできなくなるため、日本でも導入され次第、新しい情報の記事を更新していく。
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④部分一致

注意して欲しいのが部分一致だ。部分一致はかなり広い意味で広告をヒットさせてしまう。具体的な恐ろしさについては後ほどお話ししよう。

例)キーワード:航空券 予約
検索語句:安く航空券を買う方法

「航空券」と「予約」という語句が入っていないくても、”類似”していればヒットしてしまう。そのため、想定していなかった語句で広告が表示され、意味のないクリックをされてしまう可能性ある。

たった3つ!キーワード設定の重要ポイント

さあ、ここからが本題だ。キーワードの種類を理解したところで、これからキーワード設定を考えるうえでの重要なポイントを3つお伝えしていこう。

①伝えたい側(広告主)と調べたい側(ユーザー)には大きなギャップがあることを理解する

設定するキーワードを考える前に、まずはここを理解してほしい。
広告担当者は、どうしても自社に関連の高い言葉をキーワードに登録してしまう。
例えば、「航空券 予約」というように、ユーザーがチケットを買うことを前提としたキーワードしか考えていない。そこからさらに案をしぼっていき、「航空券 安い」や「期間限定 航空チケット 予約」などのキーワードを増やしていく。
この考えでキーワードを選定していくと、あなたは多くの見込み顧客をとりこぼしてしまうだろう。伝えたい側と調べたい側の大きなギャップに気づくことが、いかに効率のいい方法で見込み顧客を獲得できるかどうかの分かれ道となるのだ。

ユーザーはあなたが思っているよりもストレートな言葉で検索をかける。
「航空券 予約」と単語を並べるよりも、「お得に沖縄に行く方法」や「羽田行き 1番安い時間帯 いつ」など、今知りたいことをそのまま言葉にして検索をするユーザーは意外と多い。
そして、「羽田行き 1番安い時間帯 いつ」と検索をしたときに出来てきた広告がこのような広告だったらどうだろう。

羽田行き始発最安値!片道9,800円〜/お得に飛行機チケット買うなら◯◯!
9,800円〜14,600円で羽田に行ける!福岡発◯◯◯便が今だけお得!期間限定で空港ラウンジで使えるドリンクチケットプレゼント。飛行機・航空券・格安・羽田・東京・最安値

羽田空港行きのチケットを予約したいが、とにかく安い時間帯のチケットが欲しい。
そしていくらでチケットを購入できるのか値段も気になっているユーザーが、検索したときに1番にこの広告が目に入れば高い確率でクリックしてもらえるはずだ。
もちろんここでは広告文も重要にはなってくるが、そもそもこの広告を表示させるためのキーワードを登録していないことには、もちろん意味がない。

②キーワードとランディングページの関連の強さは必要不可欠

キーワードはただやみくもに思いついたものを登録すればいいわけではない。
羽田行きの航空券を探しているユーザーが「羽田行き航空券」と検索し、あなたのサイトにたどり着いたとしよう。
しかし、最初に開いたページ(ランディングページ)が札幌行きの航空券予約のページだった。これではユーザーは自分が探していたものと違うため、すぐにサイトを離脱してしまう。
そうすると、無駄なクリック費用が発生するだけでなく、キーワードとあなたのサイトとの関連性が低いとしてGoogleやYahoo側からの評価が下がってしまうのだ。
これでは、お金を払って評価を下げてもらっているのと同じだ。

他にも例をあげてみよう。
あなたは福岡にある水道会社の広告担当だとする。ターゲットも福岡に在住しているユーザーであるため、広告は福岡県に絞って配信している。
「私たちは福岡にある会社です!」「お電話1本ですぐにかけつけます!」というように、地域も売りの1つとしている会社だ。
福岡にある水道会社をユーザーが探しているのであれば、恐らく「水道工事 福岡」や「水道トラブル 深夜対応ができる 福岡」などというように、キーワードに「福岡」と地名をいれて検索をかけるだろう。
そんなとき、あなたの用意したサイトには目立つ位置に「福岡」という地名が載っていない。水道トラブル最安値!と大きく記載していたとしても、福岡の会社を探すユーザーにとっては意味がない。そうすると、すぐにサイトを離脱してしまう。実際は福岡の会社であるにもかかわらず、ユーザーに伝えられなかったために見込み顧客を逃してしまったのだ。

これでは、せっかくの売りの一つである「福岡」というキーワードが、ランディングページとの関連性が低いと広告側から判断され、品質スコアが下がっていく悪循環に陥ってしまう。

③入札単価はキーワードごとに変える

キーワードの登録数は業界にもよるが少なくとも50種類、多ければ数千のキーワードを登録する。そんな数多くのキーワードがある中で、当たり前だが全てが同じ計測結果にはならない。
キーワードごとに効果の高いものと、あまり効果のでないものがあるはずだ。
それにもかかわらず入札単価が機械学習にまかせっきりでは非常にもったいない。
効果の高いキーワードは、さらに効果を強めるために入札単価をあげるべきだ。具体的な数字がわからないのであれば、ある一定のキーワードだけ10%や20%だけ入札単価を強めるのでも構わない。広告の結果は毎日少しずつ変動する。そして失敗もつきものだ。
入札単価を2倍にしたら失敗するかもしれない。しかし、1.5倍にあげたらコンバージョン単価が下がるかもしれない。広告全てに言えることだが、何でも挑戦してみなければ結果はわからない。
毎日少しづつ試行錯誤していくことでコンバージョン率が高くコンバージョン単価の安い広告を出すことができるようになるのだ。

3.キーワードは設定してからが始まり

まず勘違いしないでほしいことがある。キーワードは設定して終わりではない。広告の配信を開始してからが始まりだ。そして、配信後は以下のことに気をつけ改善施策を行ってほしい。

部分一致の恐ろしさ

キーワードのマッチタイプをよく理解せずにキーワードを設定する人に多くみられるのが「とりあえず部分一致」。こんなことをしているあなたは、きっと部分一致の恐ろしさを知らないのだろう。
部分一致をうまく活用すれば、自分では想像できなかったお宝キーワードに出会える。
しかしうまく活用できなければ、あなたが費やした広告費は全て無駄になる。

例えば「美容整形 大阪」というキーワードを部分一致で登録したとする。
そうするとこんな語句でも広告がヒットする可能性がある。

「二重まぶた 施術」「おすすめ アイプチ」「美白 化粧水」

上記はあくまで一例だが、部分一致はかなり広い類似語句を含んでしまう。また、検索のアルゴリズムは公表されておらず日々変化するため、この語句は部分一致に反応して、これは反応しないという正解がない。実際にはどこまで部分一致として関係ない語句を捉えてしまうのかはやってみないとわからないのである。

除外キーワードを使いこなす

では部分一致は使わない方がいいのか。いや、決してそうではない。
除外キーワードを使いこなすことで、2回目以降の関係のないキーワードでのクリックを防ぐことができる。
そのために、毎日、できれば2日に1回は前日までの検索語句をチェックすることが重要だ。
あなたの登録したキーワードに対して、どんな語句が反応してクリックに至ったのか、そのクリックにかかった費用はいくらなのかを調べることができる。
その時の検索語句があまりにも関係なく、2回目以降も同じ語句で検索されたくないのであれば、それを完全一致として除外キーワードに設定するのだ。
そういった試作を繰り返し行っていくことによって、少しずつ関係のない語句での検索を防いでいくことができる。そして、ひょんなことから自分では想像できなかったお宝キーワードに出会えるのだ。このニッチなキーワードに出会うために、部分一致を活用することを我々は推奨する。

4.まとめ

最も効果の高いキーワードだけを出稿し、無駄なキーワードは1つもない広告アカウントを作ることは並大抵の努力ではできない。
そのための時間も、費用もかかる。
ただ、その努力をするとしないのとでは、最終的な広告費用対効果に大きな差が出ることは間違いないだろう。
今からでも遅くはない。1度あなたの登録しているキーワードを見直してみよう。